引用する

ここからHTML第3部です。知らなくてもホームページはつくれますが、知っておくとさらにレベルが高まるような内容になっています。

今回は、「他人の文章を引用するときはどうするか」というお話です。

目次

引用とは

今回のテーマは「引用」です。引用とはどういう意味でしょうか。辞書を引いてみます。

いんよう【引用】
自分の説のよりどころとして他の文章や事例または古人の語を引くこと。

広辞苑 第五版(岩波書店)

と、こんな具合にほかの人の書いた文章を借りてくることですね。引用していることを示さずに他人の文章を使うのは盗作という犯罪になりますので、「ここからここまでが引用ですよ」とはっきり示してあげないといけません。

HTMLには引用を示す要素にq要素blockquote要素があります。それぞれの使い方を見てみましょう。

短い引用

まずはq要素です。引用部分を<q></q>で囲みます。これはインライン要素なので、段落(<p></p>)の中で使うのが基本です。

<p>夏目漱石の小説『こころ』の中で、主人公の「私」は友人であり
恋敵でもある「K」を打ちのめすためにこう言ったのです。
<q>精神的に向上心のないものは馬鹿だ</q>と。</p>

夏目漱石の小説『こころ』の中で、主人公の「私」は友人であり恋敵でもある「K」を打ちのめすためにこう言ったのです。精神的に向上心のないものは馬鹿だと。

<q></q>で囲むと、NetscapeやFirefoxは引用部分をダブルクオーテーション(")でくくってくれるようです。ですから基本的には自分でかぎ括弧やダブルクオーテーションをつける必要はありません。ところが、Internet Explorerは<q></q>で囲んでも見た目が何も変わらないのでちょっと悩みどころです。

長い引用

もう一つのblockquote要素も引用を示す要素ですが、こちらはブロックレベル要素です。引用箇所が長くなるときに使います。段落ごと<blockquote></blockquote>で囲んでください。

<blockquote>
<p>国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。夜の底
が白くなった。信号所に汽車が止まった。 </p>
</blockquote>
<p>川端康成『雪国』より</p>

国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。夜の底が白くなった。信号所に汽車が止まった。

川端康成『雪国』より

Internet ExplorerやFirefoxなどのブラウザでは、<blockquote></blockquote>で囲んだ部分は左に余白を取って表示されます。しかし、余白を取るために<blockquote></blockquote>で囲むのは、間違った使い方です。引用部分を<blockquote></blockquote>で囲むのが正しい使い方です。なんてわざわざ言わなくても、みなさんなら大丈夫ですよね。

余白を取るなら、margin-leftプロパティを使いましょう。

引用元を示す

他人の文章を引用するときには、誰が書いたのか引用元を示さないといけません。引用元を示すにはcite要素を使います。引用元の作者名や書籍名を<cite></cite>で囲んでください。

<blockquote>
<p>国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。夜の底
が白くなった。信号所に汽車が止まった。</p>
</blockquote>
<p><cite>川端康成『雪国』</cite>より</p>

国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。夜の底が白くなった。信号所に汽車が止まった。

川端康成『雪国』より

余談ですが、引用するときに作者に許可を取る必要はありません。誰でも無断で人の文章を引用することができます。たまに「引用禁止!」と主張しているサイトを見かけますが、引用は法律で定められた正当な権利なので、勝手に禁止することはできません。

当たり前ですが、勝手に人の文章を転載したり、改変したり、自分の書いたもののように扱ったりするのは著作権の侵害になります。

まとめ

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