彼は言った。タブバーなんてタブレットじゃ無い限り要らん
と。
彼は過去にも視界に馬鹿みたいな量のタブが入らないのは精神衛生上良い
という言葉を書き残し、また、先日の Opera オフにおいてタブバーは縦置きだろう…常識的に考えて…
という発言を受けて「タブバー不要論」を展開している。そうしたレジスタンス的活動上に冒頭のつぶやきがあり、それに触れてnyomosさんがタブバー非表示派に加わった。マイノリティを好む僕は、幾度か試みはしたものの毎回挫折して元に戻している
過去を振り捨て、改めてタブバーを非表示にしてみた。
それから数日が経った。今回は珍しく長続きしている。
とかいう、ネガティブな考察。一体僕は何を失ってしまったのか。
Opera タブバーの領域を大雑把に分けると以下のようになる。
左右のA、B領域には Opera ボタンを自由に置くことができるので、ここに自分好みの色々なボタンを設置し有効利用している人も少なくない。
この左右のスペースができた当初(7.60 pre? よく覚えていない)は喜んであれこれ置いたものですが、最近ではBに [閉じたページ] ボタンを置いているくらいだったので、あまり痛くないです。
ページタイトルはタブが二桁であることが多いためほとんど参照しておらず、閉じるボタンは [タブに「閉じる」ボタンを表示] のチェックを外しており、この2つに関してはあまり痛くありません。
また、Favicon はずらーっと並んだタブの中から任意のサイトを直観的に選び出すことができて重宝しておりましたが、タブのない今となってはどうでもいいというか、ウィンドウパネルや Ctrl+Tab(マウス右クリック+ホイール)の Favicon が同様の勤めを果たしてくれているので問題ありません。
ただ、僕はけっこうタブの固定を多用しており、そのページが固定されているのかいないのかをアイコンを見て判断していたので、タブの固定アイコンを見ることができなくなったのは少し痛いです。しかしこの問題は TTT-Buttons にある次のボタンをアドレスバー上に置くことにより解決しました。
もっとも、僕は書式とスキンを少し弄って以下のようなボタンにしましたが。
skin.ini の Images セクションに
Unlock page = buttons/lock_page.png
を追記してボタンセット一式を再圧縮し、toolbar.ini(僕の場合なら Document Toolbar.content セクション)を開いて
Button*="Lock page, , , 765050320, "Unlock page" > Unlock page, , , 765050320, "Lock panel""
という具合にスキン名を書き換えるだけ。
タブバー上(タブのないところ)とタブ上の右クリックメニュー。ちなみに、standard_menu.ini には次の5つのセクションが用意されている("Pagebar"というのは昔の名残)。
そのほとんどの操作をキーボードショートカットやボタンで行ってたのであまり痛くないです。ただ、なんとなく menu.ini の Windows Item Popup Menu セクション(ウィンドウパネル内の右クリックメニュー)を
[Windows Item Popup Menu]
Include, Pagebar Item Popup Menu
としておきました。
設定 » 詳細設定 » ブラウジング の [ツールチップを表示する] と Use Thumbnails in Tab Tooltips の両方にチェックがされている場合、タブ上にマウスカーソルを持って行くとページのサムネイルがポップアップ表示される。
multipopup.js(最新版)を使っている都合上ツールチップを非表示にしており、普段はタブ上のサムネイルを見ることがなかったのであまり痛くないです。あと、ウィンドウパネル内にもサムネイルが表示されるらしいです。
僕は今までタブバーを眺めながら、
といったことを漠然と把握し、今自分がどういう状態にあるのかを確認していたように思う。僕のブラウジングスタイルにおけるタブバーの役割は上で述べてきたような各パーツの機能云々よりも、こういう全体像を眺めるということにあったのではないか。とすると、タブバーを非表示にすることによって僕はこれらの判断材料を失ってしまったのである。
ゼルダに譬えれば、タブバーは「マップ」と「コンパス」だと思う。
たくさん開かれたタブはダンジョン内の部屋の数、ページタイトルが黒字なら一度通った部屋、青字ならまだ訪れていない部屋、Favicon やアイコンは宝箱のマーク……僕は出口のない Web という迷宮をタブバーで攻略していたのである。時々出会う妖精達をビンに入れながら。
しかし攻略はともすれば「早解き」にすり替わってしまって、ゲーム本来の楽しみを忘れてしまう。事実、いつの間にかタブの数がノルマとなってしまっていた。ずらーっと並んだ「タブ」を任意の順番で次々と「処理」していかなくてはならない……等といった圧迫感
の虜となってしまっていた。だから、僕はマップとコンパスをあえてポケットにしまった。その結果、色々の Web ページを自分の流儀でゆっくりと読み込むという当たり前のことができるようになった。
もちろん、これは後付けである。確かにそういう一面もあるかもしれないが、要は 「ギークどもがイイとか言うのでためしにタブバーを非表示にしてみたら、いつの間にか馴染んでしまって元に戻す気が起きない」 というただそれだけのことである。ツールバーのレギュラー降格はパーソナルバー以来なのでなんだか新鮮だねー、と書いて終わっておけばいいのに馬鹿だね。
投稿者:芦塚 | 投稿日時: 2007年 12月9日(日) 21:00