今按に 庚申の夜の誦歌に しゝむしはいねやさりねや我とこをねぬぞねたるぞねたるぞねぬぞ(しゝしむしは を或は しやうけらは とも云り)こは袋双紙に 庚申せで寝る誦文しや虫はいねや去ねや我床をねぬれどねぬぞねゝどねたるぞ といへる是なり しや虫は唯むしといふ意也 しやは罵詞にて古へしやがほなどいへるは 今しやッつらといふにおなじ こを誤りてしゝ虫と俗にいふは他の歌とまがひたるなり
嬉遊笑覧 巻之七
志ゝ虫歌管沼貞主問云 清輔袋草子シゝ虫の鳴時唱ふる歌あり シゝ虫はいかなる虫そや 答云 拾芥抄にも其歌あり シゝ虫はこゝになゝきそ(誤字多し拾芥抄検すへし) シゝ虫和名抄にも見えず 案今も夏より秋にかけて草むらの中に小さき虫のきりきりすに似て青く羽もひげもあるが夜になればシイシイと鳴あり 是を馬追虫と云 其鳴声につきて古はシゝ虫といひしは其鳴声のシゝと云を死ゝと聞なして忌むゆゑましなひの歌にや
俚言集覧 中
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