タイトルは仮。「腐向け」という言葉の使われ方に対する不満は定期的にTwitterに書いているのですが、一度記事にしておきます。数年間蓄積された鬱憤なので長いです。いつも通りまとまりがありません。
「おかしくなった」と「腐女子向け」を並べるあたりに書き手の悪意をひしひし感じる!と憤った私(坂取)と木多川さんのTwitter上のやりとりからスタート。
「腐向け」という言葉は、つまらない・萌えだけという悪い意味で使われることは多い。謎。おかしいと思うも思わないも自由だが、自分の気に入らない作品を貶めるために「腐女子」というレッテルを貼るな。 http://htn.to/wtfA4
@sakatori 「萌え」って言葉にもネガティブイメージありますし、実際その時期は峰倉かずやさんが長者番付に載ったりと購買層が拡散した時期ですから、マーケティング上、層の取り入れに動いたように思います。
@mokutagawa 前後の時期に格ゲー界も女性客引き込みのために色々やっていた(ような気がする)ので、マーケティング云々は分かります。しかし、今の「○○がつまらないのは腐向けだから・腐女子のせい」というような、腐女子を引き合いに出す風潮に疑問を感じています。
@sakatori 別に腐女子向けだからこそどうのというわけではなく、単純に購買層にすり寄ったり、クライアントの指示にしたがっただけの作品がつまらないというだけの話だと思います。売れるためだけに必死な作品は畢竟つまらないですから。
これを読み返して色々考えてみました。私はゲーム系の人間なのでアニメや漫画のことは分かりませんが、FF6が発売されたのは1994年。ゲーム機が普及し、それまでのメインユーザーである若年男性以外の人もゲームが広まっていった時期だと思います。RPGであれば取っつきやすいメジャータイトルのFFやDQ、格闘ゲームならならSNK、女性向けならアンジェリークなどでしょうか。
木多川さんのマーケティング上、層の取り入れに動いたように思います。
には同意なのですが、単純に購買層にすり寄ったり、クライアントの指示にしたがっただけの作品がつまらないというだけの話だと思います。売れるためだけに必死な作品は畢竟つまらないですから。
という部分には違和感を持ちました。FFなどの作品がこれらの条件に当てはまるか疑問なので。
コアな男性ゲーマーだけをターゲットにすると隙間産業化するので、売れるためにはゲームに縁のない初心者や女性を引き込めるよう、ハードルを低くする――親しみやすい美形キャラを出したり、操作を簡単にしたり――のは同然のことで。間口を広くした結果コアなファン層の満足度は下がるかもしれませんし、「媚び」だと感じる人もいるでしょう。彼らが嘆く気持ちは分かりますが、「おかしくなった」、「腐女子向けになった」という表現は不適切だと思いました。あと、売れるためだけに必死な作品
の「だけに」というのがよく分からなかったり。大抵の作品は売れるために面白くしたり演出に気を遣ったり宣伝したりと努力しているように見えます。私の場合、萌えパッケージ商法などに露骨な媚びを感じますが、それは作品というより商品ですし。
「腐女子向けウザい」、「オタ狙い撃ち気持ち悪い」、「受け狙い萎える」という批判はよく見ます。「クリエイターなら客に媚びず(例え売れなくても)ストイックに作品を作れ」という精神論も。そういう意見を見る度私は「無茶を言っているなあ」と感じます。「この作品は腐女子のために作りました。お前ら俺らにどんどん金落とせ」と露骨に言われたら反感を持ちますが、クリエイターも生きていくためにお金を儲けなくてはいけないから、客を意識した作品を作ること自体は悪いと思いません。創作欲や美意識だけでなく、「儲けたい!」、「たくさん売って有名になりたい」、などの成り上がり自己顕示欲も作品を完成させるモチベーションになるでしょうし。どんなものであれ動機は大切……と下手な絵や小説を作る(作っていた)私は思います。世に出す商品なのだからユーザーを満足させる努力もするのは大前提。
以上は作り手寄りの考えですが、受け手としても、作品が売れないと次回作が開発されないので困るのですよ。クリエイターは売れるための努力を最大限して発売してください。好きな作品が売れなかったせいで次回作の開発が中止されると悲しいです…。
というわけで「媚び」批判は、制作者がターゲットを拡大しようとした結果古いファンが起こすアレルギーなんじゃないかなー?と思っているのですが。ここ数年「腐女子に媚びるな」、「腐女子狙いウザい」的な批判(非難?)をよく見るようになりました。
それは「腐女子向け」が絶対万能罵倒語として作用しているから。
BLややおいなど腐女子をターゲットにした作品を「腐女子向け」と表現することは何も感じませんが、腐女子にも人気がある作品を「腐女子向け」と表現されることに大きな抵抗があります。「腐女子向け」と「腐女子受け」は違うと以前Twitterで呟きました。
自分にとって面白くない・都合が悪い何かを「腐向け」認定する問題。気に入らなければそれを批判すればいいと思うが、何でもかんでも腐女子を引き合いに出すなと。あと、「腐向け」(最初から腐が対象)と「腐受け」(腐に[も]人気がある)は違うと思う。腐受けまで腐向けとして叩いているのを見る。
@sakatori 「腐向け作品」と言われるものは大抵腐女子以外にも人気があるので、腐向けと括られると違和感があるんだよな。腐以外のファンの存在は無視か。しかも腐向け「だから低俗」とか貶められるし。
「腐女子向け」という言葉をそのまま受け取ると「腐女子をターゲットにした作品」となるのですが、実際は「(自分にとって)つまらないもの」、「(腐女子が)萌えるだけの駄作」という意味で使われることが多いように感じます。現に定期的に以下のような騒動が起きます。
スタイルのいい女性キャラが登場しても、魅力的なヒロインが登場しても「男オタク狙いウゼー」とは言われず(皆無ではありませんが)、「おっぱいおっぱい」、「○○は俺の嫁」などと盛り上がります。しかし、作者が女性だったり、、男性同士の絆が描写されると鬼の首を取ったように「腐狙いウゼー」の大合唱。あの人達は、腐女子に家を焼かれ故郷を追われたのか?というくらい腐女子を憎悪しているので、見ていて怖いです。
こういうのを数年見続けていると「腐女子は気に入らないものを叩くための罵倒語なんだ…。便利なサンドバッグなんだ…。貶めるための道具なんだ…」という気持ちになるわけで。気に入らないならはっきり主張すればいいと思いますが、関係ないところで腐女子を引き合いに出さないでください、と言いたいです。
あと、アンチ腐女子が「○○展開で腐女子狂喜www」などと腐女子の心中を忖度するのをよく見ますが、何を感じるかはその腐女子自身なので勝手に決めつけないでください。「○○は腐女子に受けそうなシーン」と思うだけならともかく、「○○は腐向けシーン」などと断言されても困ります。何を考えてそのシーンを作ったかは制作者のみ知ることですし。
やたら腐女子の生態や流行に詳しい、腐女子・やおいアンチをたくさん見るので、何故腐女子よりお前らの方が男同士の絡みに敏感なんだよ、と思うことも多々あります。嫌いなのに一体どこから情報を手に入れているのか、何のために動向を探っているのか不思議でなりません。彼ら彼女らは、時々「そんなの、現役やおい好きの私だって知らないよ!」という知識を披露するので尚更。腐女子を叩くために調べて回っているのでしょうか…。因に「彼ら彼女ら」と書いた通り、アンチ腐女子が全員男性なのではありません。非やおい系女性にもいます。勿論理解ある人もたくさんいますが。
男オタクは男オタクに受ける表現を見て「流石俺らの○○先生!」と喜ぶ人が多いですが、腐女子の場合「狙いすぎウザい。こっちで勝手に妄想するから作者は私達のことを無視して」と反感を持つ人が多いような気がします、という話。
アンチ腐女子が「腐女子のせいで原作が面白くなくなった」、「腐狙いマジウゼー」、「今回の展開でまた腐共が湧くと思ったら鬱。スタッフは糞」などとレッテル貼りをしているのを見るのは心が痛むのですが、腐女子自身も似たようなことを書くのですよね。気に入らないものを貶める時の「腐女子だけが喜びそうな話だね(=つまらない)」、「こんなキャラだけ漫画、腐にしか人気がないよ」などという表現です。自分も腐女子なのに何故「腐女子」を罵倒語として使うのでしょう。
腐女子が「原作は腐女子に媚びている。私達のことは無視して」、「作者が自分たちのことを意識している。私達のために話を変えるな」と言うのは、腐女子臭に過剰反応するアンチ腐女子と同じものを感じます。腐女子の存在なんてゲーム・漫画・アニメ業界ではとっくに周知されているのに、自分はを制作者をガン見しながら(どんなにこっそりしていても存在は制作者に分かります)、制作者はこっちを見ないで一切無視してね私達空気だからと言うのは虫がよすぎるというか。そして、制作者が腐女子の存在を知っているからといって腐女子向けの演出するとは限らないのに、「これは腐女子に対するサービスなんだ! こんなのいらない」と断定して怒る姿はアンチ腐女子のそれと重なります。アンチ腐女子よりこのタイプの腐女子の暴走の方がよほどが恐ろしいです。いや、本当。「○○は腐女子に受けそうなシーン」と思うだけならともかく、「○○は腐向けシーン」などと断言されても(略)。あと、仮に腐女子向けシーンがあったとして。大抵の作品は複数の要素――ギャグ、シリアス、恋愛、暴力表現など――で成立しているので、一部に腐女子向け要素があっても当たり前というか、私はおかしいとは思わないです。これも作品を支えるパーツの一つなんだな、と感じるくらい。
そもそも、腐女子自身がアンチ腐女子のように「腐女子」を罵倒語として使っていることや、他の腐女子を叩いて自分は痛くないとアピールする現実が私には異常に見えます。「腐女子向けだから面白い!」というポジティブな肯定も見たいんだけどなー。いくら蔑まれようが叩かれようが、私は腐女子の感性や彼女たちの作るものが好きなので、腐女子を貶める色々なものに抵抗したいと思います。胸を張るわけでなかいが卑屈になるわけでもなく普通にいたい。
腐女子にしろ非腐女子にしろ腐女子のせいにしている人が多いので、いい加減語彙を増やして感想を書くなり批評するなりしてください。2chやレビューサイトに籠るのではなく、自分のサイトやブログを持ってはどうでしょう。お勧めのレンタルサーバ・ブログの紹介ページも作ったので参考にしてください。以上。
blog comments powered by Disqus