匿名ブログのメリット

アメリカのブログは実名で書かれるものが多く、日本のブログは匿名で書かれるものが多い。

米国は実名でブログを書く人が多く、日本は匿名(ペンネーム)で書く人が多い。それとも関連するのかもしれないが、米国に住んでいて思うのは、米国人の自己主張の強さ、「人と違うことをする」ことに対する強迫観念の存在である。彼ら彼女らは「俺はこういう人間だ、私はこう思う」ということを言い続けてなんぼの世界で生きているから、ブログもそのための道具として使われる場合が多い。とてもストレートだ。

日本のブログの殆どが匿名(ペンネーム)であることはしばしば問題にされる。匿名の記事は信頼性が低い、匿名性は無責任な発言を助長する等々。しかし、これらの反論があるにもかかわらず、ブログは匿名で書かれるべきであると思う。

まず匿名の記事は信頼性が低いということ、確かにそうなのだが、では私のような無名の一般人が実名で記事を書くと信頼性が高まるのだろうか。匿名よりはましかもしれないが、実名だからといって無条件に絶対的な信頼を置くことはまずできないし、「大体正しいだろう」くらいの信頼すら持てない。実名のブログで信頼に足るのは、学者、政治家など権威ある人たちのものだけである。一般人の書くブログの信頼性は匿名であるかそうでないかよりも、参考文献を示しているか、根拠のあることを書いているかなどにかかっている部分が大きい。客観的で説得的な文章のブログは基本的に匿名でも信頼できる。

匿名性は無責任な発言を生むというのも、これは「名無しさん」のような完全匿名の場合であって、ペンネームを持ってブログを運営しているような場合にはあまり当てはまらない。ペンネームはネット上でのみ有効な名前であるが、それは実生活で実名を使うのと同じようにネットという舞台装置の上で演技を行う際の名前となる。無責任なことを書けば実名ではなくペンネームで批判され、面白い記事を書き続ければアルファブロガーとしてペンネームを馳せることができる。ウェブの情報が玉石混淆であるのは、匿名性が原因なのではなく書き手の質の問題だと思われる。

では、なぜ匿名の方がいいのかと言うと、それは匿名にすることで現実世界の束縛から解放されるからである。実名を晒すと友人や家族の目に触れられることになるので、うかつに変なことは書けないのだ。「友人や家族に読まれても堂々としていられるくらいの文章を書いたらどうだ」なんて言われるかもしれないが、それができるのは個人主義の精神を叩き込まれてきた米国人であって、和をもって尊しとなす日本人はそんな図太い神経を持ち合わせてはいない。考えてみよう、こんな「ブログは匿名で書かれるべきである」なんて記事を書いてるのが母親にばれて読まれでもしたら恥ずかしいだろう。匿名であるからこそ、普段頭の中で考えているが友人にも家族にも話していないアイディアを抵抗なく書き散らすことができるのだ。

匿名であるだけでなく、できれば年齢・性別や職業も伏せるべきである。客観的な意見は年齢にも性別にも職業にも関係なく、誰にでも通用しないといけない。年齢・性別・職業などを明かすことで「ガキの言っていること…」「また自意識の強い女が…」とバイアスが掛かってしまうと、それが妥当であるかどうかが分かりにくくなる。

そんなわけで、腹を割った議論を可能にする日本の匿名文化は尊重されるべきである。

と書いてみたものの、これは私にしか当てはまらないような気がしてきた。皆さんは自分のブログや日記を家族や友人にまで公開していますか?

転載元リソース情報

URI
http://elastic965.80code.com/blog/2006/10/anonymous
作成日
2006年10月01日

2008年5月19日

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